コドモ以上、オトナ未満。
……あ。そっか。ここに大森がいるのは、きっと。
カナコは、真咲と一緒に花火を……
それで、あたしと大森は、適当に消えてねってことか。
……しょうがない。カナコの一途な想いは知ってるから、協力してあげよう。
「……あたしも楽しみにしてた。ってことで、さっさといこ」
あたしは大森の手を取ると、カナコと真咲を置き去りにするべくずんずんと歩き出す。
「おお、今日はココちゃん積極的だ。花火マジック?」
「……バカ。まだ打ちあがってないし」
「そっか。でも、今日は期待してもいいのかなー? なんて」
大森の言う“期待”の意味がわからなくて、あたしはぴたっと足を止めた。
「期待……?」
「そ。こないだのは無許可で悪かったけど、そろそろキスくらいしてもいいかなーって、俺は思ってるんだけど」
ぼっ! と顔に熱が集中して、あたしは反射的に大森の手を離してしまった。
大森とキス……? それはまだ、心の準備が……
「そ、それって……恋人なら、しなきゃいけないものなの?」
あたしは、手を繋いだり、話したりするだけで、充分楽しいんだけど。