聖ヨハン学校の日常



数日後、僕はある女の子に出会う。女の子といっても先輩なんだけれど。
この学校の敷地の広さや時間割やクラスメートとのコミニュケーションなどに慣れてきた頃。
所属する部活が決まる時期に入った。私立の学校なだけに、様々な部活がある。
サッカー、野球、バスケ、バレー、陸上、テニスなどの王道の部活はもちろん、柔道剣道茶道華道その他諸々。

沢山ある部活の中僕が入ったのは、バドミントン部。
バドミントン部は他の部とは違い部員数が桁外れに少ない。そのせいか、他の部活は男女別れているのにバドミントン部は別れることは少ない。そして高等部の先輩とも一緒にするという珍しい部活。

そう、ここで僕は出会ってしまった。

「落ちたよ」

それは、一目惚れだった。

「あ…りがとうございます」

無垢な笑顔に。

「中等部の子だよね?」

綺麗で優しい声。

「あ、そうです…」

釘付けになりそうなナイスバディ。

「私、ここの部長なの!これからよろしくね」

出会ったのは 第二体育館。親と担任に了承のはんこを押してもらった入部届けを持っていつもバドミントン部が練習しているという第二体育館を訪れた時。うっかり入部届けを落としてしまった。

「あ、初めましてだし緊張するよね。私は 九條 あかり<クジョウ アカリ>!…えーと…君は荒木優弥君。だよね?」

僕は、小さな返事しかできなかった。



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