聖ヨハン学校の日常
九條先輩と一戦手合わせしてもらった。バドミントン部に入ったのはいいけれど、バドミントンをしたことあるのはほんの数回。でも、自信がない訳じゃなかった。
まぁ、結果はぼくの負けだけれど。
言い訳じゃないけれど、九條先輩は高等部の三年生だし、僕より身長が20センチ近く高いし…。
それに、一回目九條先輩が点を取った時嬉しそうにガッツポーズをして大人気なく喜ぶ姿を見たら、なんだかもっと見たくなった。
それでも途中からわざと手を抜いていることがさすがにバレて、今度は悔しがる顔が見たくなったから本気を出したんだけれども。
「まぁ、こんなもんかな?」
にやにやと嬉しそうにそう言うから、いいとこまでいったんですけどね、なんてかわいげのない返事しかできない。
一目惚れなんて…いや、僕には恋自体が初めての体験で。
悔しさか、悲しさか。僕は知らずにため息をつく。
もう、胸がこんなにも苦しい。