アイドルなんて、なりたくない<font color=
辰之助は、娘夫婦に

「ばっかも<font color="#000000"></font><font color="#000000"></font>ん<font color="#FF0000"></font>」

怒りの第一声を上げる。

「お前達には、親としての自覚はないのか?」

から、説教は延々と四時間続いた。

優衣の両親、木下隆介、絵里子夫妻にも、疲労感が見えてきた。

辰之助の方は、全くその気配すらなかったが…

そこに静の助け船が入った。

「では、私達が麻衣を預かりましょう。うちは幸いな事に田舎で、空気は澄んだ土地にあるから」

ふんわりと笑いながら言うと

「ちょっと待たないか、しず…」

「よろしいですわね?あなた?」

にっこりと笑った笑顔の先には、鋭く光る眼光があった。

その場の空気が凍り付く。

「…はい、分かりました」

辰之助は蛇に睨まれた蛙のように黙って頷くしかない。

静の真の恐ろしさを知る者にしか分からないモノだ。

当然、娘の絵里子も知っている。

「ありがとう、母さ…」

と言いかけるが

「絵里子」

静の微笑みに、凍り付く。

「は、はい<font color="#FF0000"></font>」

絵里子が、背筋をピンッと伸ばして萎縮する。
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