アイドルなんて、なりたくない<font color=
奇跡的にも、二卵性双生児なのに、まるで一卵性双生児のように見分けがつかない程似ていた。

絵里子は、この双子をデビューさせるという野望に取り憑かれた。

まず手始めに、子供モデルとしてのデビューだったが、女の子―優衣が、暴れる程嫌がった。しかし、男の子―怜は、喜んで仕事をこなした。

だが絵里子は、優衣をデビューさせる事を諦めてなかった。

ことある毎に、優衣をスタジオなどに連れ回していた。

しかし、優衣が興味を示した事はない。

さすがに、母のしつこさに、うんざりしていた。

だから、優衣は麻衣と共に祖父の家に引っ越しした。

祖父からは空手の技を学び

祖母からは、弓道と薙刀、それに作法などを叩き込まれた。

優衣にとっては、充実した日々である。
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