アイドルなんて、なりたくない<font color=
学校に到着しても

「ねえねえ、秋山レイナの事観た?」

「観た観た。急病ってどういう事?」

と、普通に会話している女子生徒もいれば

「レイナちゃぁん」

「泣くな!うざい!」

「俺のレイナちゃんが、俺のレイナちゃんが…」

「黙れ!お前のモノじゃねえっての」

「ぐえ…」

軽くシメられやがらも、じゃれている男子生徒もいる。

優衣は自分の席に座り

【はぁぁぁ】

深いため息をついた。

周りは、秋山レイナの話題でもちきりになっている。

(何でこう秋山レイナの話ばっかなのかなぁ)

うんざりしていると

「さて、木下優衣さん」

記者の如く、面白そうに優衣に話し掛けてくる。

「…なんでしょう?中川千里さん」

一応、合わせてあげる。

親友だからだ。

「秋山レイナさんの事は、どう思われますか?」

マイクに見立てているタオルを向けられて

「…別に、何も」

うんざりしながら答える。

千里は、優衣の肩を

【ポンポンッ】

と叩き

「なぁに言っているのかなぁ?木下優衣のドッベルゲンガーと噂されている秋山レイナだよぅ。自分の身にも何かあるんじゃないかって心配にならないかなぁ?」
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