アイドルなんて、なりたくない<font color=
そう言って擦り寄ってくる。

優衣は

「ならない」

きっぱり切り捨てた。

千里は、優衣の頬をつつきながら

「ご機嫌ナナメでしゅねぇ。どうしたのでしゅかぁ?」

完全にからかっている。

優衣は、フルフル…と震えながら耐えていたが

「その話し方やめい!」

叫んでしまい、注目を浴びてしまった。

恥ずかしそうに席に座ると

「可愛いですねえ、優衣ちゃんは」

千里は、そう言いながら優衣の頭を撫でる。

優衣は、それを払い除けて

「やめてよ」

不機嫌な顔をして言う。

千里は、クスクス笑いながら

「美人が台無しだよ」

と言うが

「別にいい」

そっけなく答える。

千里は、優衣のオデコに

【ピンッ】

と軽くデコピンして

「しょうがないって。何せ、この町一番の美少女は、超人気アイドルにそっくりなもんだから、注目されるんだから」

そう言うと

「アイドルじゃない。女優だよ」

すかさず優衣が修正を入れる。

千里は苦笑いをして

「どっちも似たようなもんでしょ」

「いや違う。秋山レイナは女優なの」

少しムキになる。
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