アイドルなんて、なりたくない<font color=

同意を求める。

山頭教諭は、へこへこしながら

「そうですね。校長のおっしゃる通りです」

エヘエヘと嫌な笑いを浮かべる。そして続けて

「最近の生徒は、教師を敬う事を忘れておりますから。もっと、教師いや、校長に対する尊敬の念を持つべきです！」

熱く語る。

優衣は笑顔の下で

（ばっっかじゃない？あんた達みたいな横暴な教師を敬う気持ちなんて持ち合わせてないわよ。尊敬されたかったら、それだけの事やってから言え！ての）

裏の顔は、表の顔とは正反対である。

「本当だね」

山頭の言葉に、さらに気を良くした校長は

「木下生徒会長のように、私を敬ってくれないとね」

そう言って優衣の肩に手を置く。

優衣は、虫酸が走る感覚を覚えたが、校長の手をそっと肩から外して

「では、会議を続けないとなりませんので。校長先生も山頭先生も、お忙しいなかで生徒会を気がけていただいてありがとうございます」

深々と頭を下げる。

優衣の態度に完全に気をよくした校長は

「まあ、がんばりたまえ」

機嫌良く言ってから

「では山頭君、行こうか」

と、山頭を促す。