アイドルなんて、なりたくない<font color=
匿われた女性達は、己を守る精神と術を、永寿さまから伝授され、寺を出た後は立派に立ち直っている。

次に龍神町の資産家の妻である秋山紫(ゆかり)である。

年令は、六十二歳なのだが、見た目は、かなり若く見える。

資産家なので土地や会社を手に余る程持ち合わせている。

夫などは、町の外にマンションなどを購入して、主にそちらの方で暮らしている。

しかし、紫は龍神町の屋敷から出なかった。

あくまで噂なのだが、会社経営についての指示は、紫が龍神町の屋敷からしているらしい…

子供は五人。

長男は、夫の会社で手腕を振るっている。

三男は、衆議院の議員。

長女は、辣腕弁護士。

次女は、有名デザイナー。

残ったのは次男なのだが…ある家に婿養子になった。

それが、木下隆介。優衣達の父である。

道場主の娘で幼なじみである絵里子に惚れ込んだ彼は、ひたすら修業してチャンピオンになった。

その頃絵里子は《橘香織》として、人気絶頂だったが、ダメもとでプロポーズしたが、惨敗…

理由は

『仕事辞めたくないから』

だそうだ。

絵里子は両親から、女優になる際に条件をつけられていた。
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