アイドルなんて、なりたくない<font color=
「れ、れ、れ…」

麻衣は、混乱の為一瞬固まってしまうが、

「怜にい!」

怜に抱きつく。

「お、おい麻衣」

怜も戸惑いながらも、まんざらでもないようだ。

「心配したんだよぅ。今朝、あんな事聞いてから。それに、さっきお母さんから電話があって、怜にいがいなくなったって聞いて…」

泣きそうな顔で麻衣が一気にまくしたてる。

怜は、笑みを浮かべながら、麻衣の頭を撫でて

「ごめんな、麻衣。心配かけて」

と言うと、麻衣は何かに気付き

「あれ?怜にい…まさか?」

「そう、そのまさか」

怜は、ニッと笑う。

「じゃあ、こっちに戻って来るの?」

嬉しそうに麻衣が聞くと、怜は大きく頷いて

「ああ、そのつもり。お祖父ちゃんやお祖母ちゃんからも直に学びたかったし」

そう答えると、麻衣は

「そっかぁ、よかった。とりあえず、お祖父ちゃん達の所に行かないとね」

と言って怜から離れる。

「そうだな」

怜は靴を脱ぎ、中に上がる。

麻衣は優衣を見て不思議そうに

「あれ?優衣ねえ、今日は生徒会の会議じゃなかった?それに何で怜にいと一緒なの?」

と、問い掛ける。

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