アイドルなんて、なりたくない<font color=
静に言われて反論が出来ない。

静は、怜を優しい表情で見つめ

「怜の人生は怜のもの。すべては怜が決める事です。道場を継ぎたくなかったら、道場をたためばいいだけです」

最後の方は、少し淋しそうだった。

「…お祖母さん」

怜は、胸の奥が熱くなった。

だが、静は絵里子を見据えて

「男の子を女の子に仕立てあげるなんて、非常識にも程があります!」

静の一喝で、絵里子は

【びくぅ!】

と、体を震わせる。

「だけど…怜だって…」

絵里子が擦れるような声で言ったが

「モノに対する判断がつかない子供に何が言えて?それも、そうすればお母さんが喜ぶのだから、何の疑いもせずにするでしょう」

今度は、紫が厳しい口調でいい

「オカシイと疑問を感じる時には、秋山レイナは、人気アイドルになっている。これでは逃げ道もないでしょう」

静が、トドメを刺す。

そして、今度は紫が隆介を、キッと見据えて

「このような事態になったのは、隆介、あなたの責任でもあるのよ。絵里子さん達に、きちんと間違いを正す事をさせていれば…」

情けなさそうに言うと、隆介は俯いて
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