アイドルなんて、なりたくない<font color=

《秋山レイナ》の真実

優衣は、自分のベットに寝転んだ。

「はぁ」

天井を見つめて、ため息をつく。

「ワケ…分かんないよ」

不機嫌に呟いた。

確かに、怜は《秋山レイナ》である。

しかし、ある時期の間だけ優衣がレイナを演じていた。

最初は、《魔法少女こももちゃん》の実写化劇場版の制作が決定した時だった。

丁度、怜は辰之助と共に修業の旅に出る事が決まっていた。

しかし、原作者がレイナの採用を条件にされた為、制作者サイドから、ゴネられたのだ。

かと言って、静達との約束を破る訳にはいかない。

困った末に、優衣を代役に据える事にした。

嫌がる優衣を脅してまで…

当時は十歳の少女だった優衣は、なす術もなく演じた。

その時は、母が恐ろしい形相で見ていたから、優衣は必死に演じるしかなかった。

そして、映画は大成功した。

続編も企画されていたが、レイナは次の仕事が決まっていたので、ボツになったのだった。

その間、優衣は辰之助と共に修業の旅に出た事になっている。

その時に優衣は、【もう二度とやらない】と宣言したはずなのだが…

また、レイナを演じる羽目になるのだった。

それが…
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