アイドルなんて、なりたくない<font color=
《不思議探偵二宮三郎太》だった。

最初は、怜がやる予定で進めていた。

制作発表の記者会見も終わり、いざクランクイン寸前

怜は、空手の練習中に足を骨折してしまったのだ。

困り果てた絵里子をみかねて、怜は優衣に頼み込んだ。

最初、嫌がっていた優衣だったが、怜の想いの深さに仕方なく了承する。

結果、ドラマは成功し、《秋山レイナ》の名声を上げる事になった。

それ以降、優衣は一切の活動を拒絶してきた。

怜も分かっていたから、優衣に頼む事なく、仕事と修業を上手く両立させてきた。

優衣が、《魔法少女こももちゃん》と《不思議探偵二宮三郎太》を嫌うのは、自分が嫌々演じた事を思い出したくないからだ。

皮肉な事に、自分が演じた役が、ますます町の中で自分を注目されて…

自分の耳に、必ず作品名が届く羽目になるとは思わなかった。

だからこそ、優衣はレイナと違うキャラになった。

クールでかっこいい、男勝りな性格に。

しかし、だからこそ優衣の人気はあがった。

《秋山レイナと姿形が似ているが性格は真逆》

意外性というやつだ。

優衣の悩みは尽きる事もなかった。
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