アイドルなんて、なりたくない<font color=
「でも…」

静は、優衣をキッと見据えて

「出来ないのであれば、お止めなさい。ですが、私が出来ない事を奨めた事がありましたか?」

「いえ、そのような事は…」

静の気迫に押されながらも、優衣は答えた。

「それならば出来るのです。時間が間に合わなければ、秋山家の自家用ヘリだって使えばよいだけです」

得意げに微笑んでいる。

「あのお祖母ちゃん?秋山家の自家用ヘリを使うなんて、いくらなんでも、そんな勝手な事…」

顔を引きつらせながら優衣が言うと

【バタン!】

入り口の扉が開き

「何を言っているの?」

紫が、静に負けぬ劣らぬ気と共に中に入る。

優衣は、顔を真っ青にしながら

「そうですよね。いくら何でも秋山家のモノを使うなんて」

かなりびびっていた。

…そう、優衣は恐れた。

この街でも静VS紫のバトルは、壮絶を極めた、言わば修羅場状態にも似た空気が漂う。

(あぁ、お祖母ちゃん達のケンカが始まるよ〜誰か何とかしてぇ)

祈るようにしたが、この世でこの二人のバトルは、二人にしか止められない。

当たり前のようだが、蒼龍神社の圭子様と聖雲尼寺の永寿様である。

怯える優衣に向かって
< 81 / 99 >

この作品をシェア

pagetop