アイドルなんて、なりたくない<font color=

「何を迷う事があるのです。秋山家のヘリなんて、いくらでも使ってもよいのです。あなたは、秋山家の孫なんですから」

意外な言葉が出た。

あっけにとられている優衣を置き去り状態にして、紫は静に向かって

「優衣の活動に支障が出ないように特別な設備を整えたヘリを作らせているわ。これで、学業と芸能活動の両立は出来るけれど…」

「何か問題でも？」

「静は分かっているとは思っているけど、怜のようなハードな…」

静は、フッと笑い

「もちろん、活動は制限させてもらうわ。絵里子や麻美に釘を刺しておいたし、スケジュールは、私達に管理させてもらう事にしている」

紫は、拍手を送り

「さすがね」

称賛の言葉を送る。

「紫に誉められると、裏がありそうで恐いわね」

静が、肩をすくめていると

「あら、人が折角誉めてさしあげているのだから、素直に喜びなさいな」

紫が、笑顔で言う。

「そうですね」

そこで二人は

【おほほ…】

と、笑い合う。

そこに、やっと会話に入る隙を見つけた優衣が

「あのぅ〜」

少し及び腰で、二人に話し掛ける。

「何ですか？」

紫が笑顔で答えると、優衣は遠慮がちに