狼くんに振り回されすぎて

「はい、右手ちょーだい」


「えっ、なに?」


「先輩さ、天然なの?馬鹿なの?
手繋ごって意味だよ」


「いや待って
もし誰かに見られたら…」


「逆に俺は見せつけたいけどね
やっと先輩の彼氏になれたし」


「彼氏…」


私、大神くんの彼女になったんだ
なんか未だに実感がわかないな


「学校に着いたら手離すから
それまでの間だけ」


「うっ、うん…」


手のひらから伝わる温もり
なんだかまだぎこちないこの距離感
妙にじれったい
でも、すごく心地よくて落ち着く

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