続 理想の結婚
俺は璃子よりも先回りして、店に入った


「おおー!涼介!!早かったな!」


和也は今日ここに璃子が来る事を知らない。


そして、斗真は仕事のため終わり次第合流する事になってる。


斗真にはそれとなく言っておいた。


でも口が裂けても
今日、璃子と美希ちゃんはクラス会という名の合コンをこの店でやる!とはさすがの俺も言ってない!


軽く、この店で璃子たちのクラス会もあるらしい!と言っておいた。



仕事してる人間に余計な心配事をさせたくないからな!!



三神が店に入ってきてしばらくして
璃子と美希ちゃんが店に入ってきた。



璃子を見つけると、三神は途端に目尻を下げて嬉しそうに璃子の所に寄っていった。



和也がトイレに立ち戻ってきて


「おい!涼介!!向こうで璃子ちゃん達が飲み会してるぞ!クラス会かなんかか??」


目だけで頷いた


感のいい和也はすぐにこの状況を察したらしく


「そういうことか……」
と真剣な顔で呟き



「でも、あれはヤバイぞ。あの爽やかイケメン。あれは璃子ちゃんに相当マジだぞ。気をつけておいた方がいい……」



それからの俺は璃子達からは死角の席に付き、ひたすら耳をダンボにして聞き耳を立てていた。



色んな奴らと楽しそうに話してる璃子の様子は、ちょっと妬くけど、嬉しかった


最近、あんな楽しそうな璃子を見てなかったしな……


俺のせいだよな………


でも、お酌をされるたんびに笑顔で飲み干してるっぽい璃子。


酒は強い方だけど、あんなにハイペースで大丈夫か??


そのうち、俺との結婚生活の悩み節が始まった。
璃子の本心がイマイチわからなかった俺には、良い薬だった。



美希ちゃんも心配して
璃子に待ったをかけるが、あそこまでベロンベロンの酔っ払いと化した人間には最早何を言っても無駄だろうな。


そのうち、美希ちゃんが少し離れた席に座ってた男に引っ張って連れて行かれたようだ。


斗真!!お前の美希ちゃんもヤバイぞ。




そして、とうとう三神の野郎が化けの皮を剥がして璃子を口説き落とそうとしてる声がヒソヒソと聞こえてきた


「おい、涼介‼︎やべえぞ‼︎……涼しい顔してる場合じゃねぇ!!」
和也に言われ、何気無く璃子達の方に視線を移すと


三神が璃子を抱き締めて、俺のつけたキスマークを睨みつけながら


「こんなんでビビる俺じゃねぇんだよ!!」
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