薔薇の香りと共に
目の前には、大きな扉。
はぁぁ…緊張する……
扉の縁のところにあるインターホンを押すと、リンゴーンという鈍い音が鳴った。
この待ち時間てすごく緊張する…。
ドクドクと煩い心臓を落ち着かせていると…
ガチャリと目の前の扉が開いた。
「東雲 月様ですね。お待ちしておりました」
「え、あ、はい…」
どうして私のこと……それに、日本語…
「お荷物をお預かり致します。」
「あ、すみません…」
私はキャリーバッグを彼に預けた。
「どうぞ、お入りくださいませ。」
「あ、はい…」
落ち着きのある燕尾服姿の若い男性。
もしかしなくても…執事??