薔薇の香りと共に
「レイコは、イギリスへは行かないと言った。この子は自分が育てると言い切ってね」
「お母さんが、どうして…」
「例え、長くは続かなくても、君との時間を作りたいと。君の母親として傍にいてあげたいんだと言っていた」
長くは……続かない?
「だけど、最近じゃ金を稼ぐことに手一杯でなかなか君との時間が作れないでいると聞いた。」
確かに、日夜仕事で、私との時間はないに等しい…
「それは、お母さんから聞いたの…?」
「ああ。16になったら、君にここへ来てもらうつもりだったから連絡したんだ。その時、レイコがそう言っていたんだよ」
そっか…、だからお母さん、私のこと無理に止めなかったのかな…?
一緒にいれないも同然だったから…。