薔薇の香りと共に
「ふーん。クラウスさんでもそんな凝った名前付けるだ?」
含み笑いで言うアヤトくん。
「…アヤト、それはどういう意味かな?」
「ん?いやぁ、意外だなぁ…て。」
「どうして意外なの。僕なりに一生懸命考えたんだけど?」
「いやぁ、だからそれが意外…みたいな?」
「みたいな…て、僕ってどんなキャラなんだよ」
「全体的に冷めてるイメージ。」
と、即答したアヤトくんに、私も共感して大きく頷きたい気持ちになった。
「あのね、いくらなんでも…」
と、彼が何か言おうとしたとき…
「まぁまぁ、いいじゃないですか。それより僕らも話に入れてよ?」
という声が割って入ってきた。
「いいって、君ね…」
「ん、僕何か変なこと言った?」
「だから、僕からしたら変な誤解されるのは困るんだよ…」
チラッと私を見るから、皆の視線まで私に集まって
「変な誤解?」
先程話に割って入ってきたブロンドに淡い青の瞳の青年も私に視線を向けてくる。
「そう。一人娘だからね…」