薔薇の香りと共に

私を見て眉を下げ薄く微笑む彼に、私は目を見開いた。


そんな私を見て、納得したように微笑むブロンドの髪の青年は


「あぁ…成る程。」


と呟いては彼に向き直って…


「要するに、クラウスさんは親バカなんだね?」


にっこりと屈託な笑顔を浮かべて言った。


「は…?」


その言葉に彼は固まる。


「フッ…親バカとか、似合わな…!」


笑いを堪えながら言うアヤトくん。


「クオン……君、もう黙りなよ。」


呆れたようにブロンドの髪の青年から視線を逸らしたお父さん。


「黙ってはいられないよ。僕も彼女と言葉を交わしたいからね♪」


ブロンドの髪の青年はそう言うと私の方を向く。


「僕はクオン・ミッドフォード。よろしくね、ユエちゃん」


…なんて綺麗な顔で笑うんだろうと思った。


凄く爽やかで、だけどなんだかあどけないようで、場を和ませるような、そんな存在なんだなと思った。


「よろしくお願いします。クオンさん」


私も笑顔を浮かべると、彼は嬉しそうに微笑んだ。
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