薔薇の香りと共に
「ルドルフはこの家の主だ。ここでは、彼の言うことは絶対なんだよ。
ミッドフォードがあるべき姿を決めるのは、彼なんだ。」
「そうそう。俺ら息子だって、逆らったらタダじゃ済まされねぇんだから…」
「それじゃあ…今、逆らった私は……」
アヤトくんの言葉にブルッと体に震える感覚が走る。
「口では余程のことじゃない限り平気だよ。あの人は行動で全てを決める人だから」
「そうだね…、口約束は信用ならないって嫌うくらいだから」
「まぁ、今回はセーフというところだな」
それじゃあ…何もされないんだ……
クラウスさん、クオンさんに続き、鏡夜さんの言葉で私は安堵の息を吐いた。
「けど、あの人には逆らわねぇ方が身のためだな。いくら酷いって泣き叫ぼうがアイツの心には何も刺さらない」
「アヤトの言う通りだね。愛なんてものも持ち合わせないくらい冷酷な人だから」
「…だな。でなきゃ、いろんな女を抱いて子供を作るなんてできねぇよ。」
そんなアヤトくんとクオンさんの会話…
そっか…、この4人は母親は別だけど、みんな父親はルドルフさんなんだもんね…
歳もあまり離れていないし…、異母兄弟って…当人達からすると、どんな感覚なんだろう…。