薔薇の香りと共に
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「パスポートとチケット、ケータイ…財布…」


バッグの中の物を確認し、胸元までの髪を整え、お気に入りのペンダントに手を添えた。


「よし、行こうかな。」


肩掛けのバッグと、キャリーバッグを手に私は家を出た。



私は、これから英国へ行く。



ずっと音信不通だったままの父親に会うために。


16歳の誕生日、私は、全てを知るの。


お母さん…行ってくるね。


今日も朝早くから仕事に行ってしまった母に心の中でそう言った。
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