君の隣で。
外国語学部。
ここの大学では世界各国の言語を学ぶことができる外国語学部があった。
見たことも、聞いたこともない言語がたくさんあった。
両親が旅行好きで頻繁に海外旅行をしていた私はこの学部で学べる言語の多さを知ってたちまち惹かれた。
ただこの大学はレベルが高かった。
日本でも賢い大学の五番以内には入るだろう。
中学高校と私立一貫に通って毎日勉強に勤しみ、ようやく手に入れた合格という文字とこの大学の生徒になれたことは、私の中で計り知れない喜びだった。
「咲子は行くの?」
掛けられた声の方に顔を向けながら私は尋ね返した。