君の隣で。
水居咲子。
昨日の入学式でたまたま隣に座り、意気投合した私の大学の初めての友人。
ボブで明るめの茶髪をして、化粧もしっかりしている彼女は、一年浪人をしたために元から私より一歳年上だったが、黒髪で化粧も薄めの私と一緒にいると、三歳は年上に見えた。
「そもそもサーオリってなんなの?」
私の問いかけに咲子はブーッと飲んでいた紅茶を吐く真似をした。
「サークルオリエンテーション!略してサーオリ!
何の話してるかもわからないで私に行くかどうか聞いてきたの?」
咲子はよく聞いてきたね、というように軽く首を振った。