Sweet Honey Baby
俺が破いて放り捨ててあった方のストッキングを、千聡が投げつけてきた。
ヒョイと俺がよけたそれを、不満そうに見やって、
「…バカじゃないの。何が合意よ、あれだってレイプみたいなもんでしょ?」
「は?レイプ?お前だって愉しんでたじゃねぇかよ」
「そりゃあね。あたしの立場で拒否しがたいし、ああいう場合、無駄な抵抗して痛い目みるより、愉しんだ方が正解でしょ?」
蓮っ葉で投げやりな言葉は今は痛かった。
俺のやることなすこと、なにもかもこいつには響かないんだと思い知らされているようで。
「…お前、どんな女なんだよ」
「どんなって、見たまんまだけど?」
「汚いことなんて何も知りませんなんて顔して、淡白そうに振る舞っていやがるくせに」
吐き捨てる俺の言葉もいなして、肩を竦めるこいつが時々ひどく憎らしい。
「そんな風に見える?別に、おキレイなつもりもないけど」
「そうだよな。無理矢理ヤられたっていっても、お前はいつも受け身なだけで、本当は淫乱な女だもんな」
「……」
鼻で笑うかと思ったのに、一瞬だけ哀しそうな顔をしたと思ったのはきっと気のせいだ。
すぐに苦笑して、俺の言葉に千聡は何も答えなかった。
「…ケーキ、食べれなかったね」
「…は?」
「フランス人パティシエが作ってる絶品スウィーツのお店のケーキ、食べさせてくれるって言ってたじゃない」
お前は乗り気じゃなかったじゃないか。
この俺がわざわざひかるにリサーチまでして、お前を誘うために作った口実だったというのに、それさえもあっさりと流して。
「なんてね、言ってみただけ。お邸のケーキで十分美味しいよ。もう、ずいぶん遅くなっちゃた。車呼んでくれたんでしょ?」
俺を一顧だにせず部屋を出てゆく千聡を、俺はすぐには追いかけられなかった。
ヒョイと俺がよけたそれを、不満そうに見やって、
「…バカじゃないの。何が合意よ、あれだってレイプみたいなもんでしょ?」
「は?レイプ?お前だって愉しんでたじゃねぇかよ」
「そりゃあね。あたしの立場で拒否しがたいし、ああいう場合、無駄な抵抗して痛い目みるより、愉しんだ方が正解でしょ?」
蓮っ葉で投げやりな言葉は今は痛かった。
俺のやることなすこと、なにもかもこいつには響かないんだと思い知らされているようで。
「…お前、どんな女なんだよ」
「どんなって、見たまんまだけど?」
「汚いことなんて何も知りませんなんて顔して、淡白そうに振る舞っていやがるくせに」
吐き捨てる俺の言葉もいなして、肩を竦めるこいつが時々ひどく憎らしい。
「そんな風に見える?別に、おキレイなつもりもないけど」
「そうだよな。無理矢理ヤられたっていっても、お前はいつも受け身なだけで、本当は淫乱な女だもんな」
「……」
鼻で笑うかと思ったのに、一瞬だけ哀しそうな顔をしたと思ったのはきっと気のせいだ。
すぐに苦笑して、俺の言葉に千聡は何も答えなかった。
「…ケーキ、食べれなかったね」
「…は?」
「フランス人パティシエが作ってる絶品スウィーツのお店のケーキ、食べさせてくれるって言ってたじゃない」
お前は乗り気じゃなかったじゃないか。
この俺がわざわざひかるにリサーチまでして、お前を誘うために作った口実だったというのに、それさえもあっさりと流して。
「なんてね、言ってみただけ。お邸のケーキで十分美味しいよ。もう、ずいぶん遅くなっちゃた。車呼んでくれたんでしょ?」
俺を一顧だにせず部屋を出てゆく千聡を、俺はすぐには追いかけられなかった。