君がいるから
嘘ではない…

どうして?

彼女は作り笑いを浮かべながら、僕の目を見つめた。

ゆっくりと唇からおとが漏れだす。

「私、長くはいきられない…だから、別れた方が…」

気がつけば、抱き締めていた。

温かい。

生きてる。

まだ生きてる。

頭を優しく撫でる。

彼女の瞳から大粒の雨がゆっくりと僕の服を濡らす。

この後、僕は、彼女の病気と寿命必ず来る死を聞いた。
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