アイツと共に、未来へ
出された昼食を食べ終えた。久々に昼間に栄養のある物を食べた気がした。向かい側をみると、オギワラもちょうど食べ終えたところのようだ。オギワラは俺が食べ終えたのを確認して顔に意地悪そうな笑みを浮かべた。
「じゃあ、皿洗いよろしく!!」
「は?!」
困惑する俺を横目にオギワラは楽しそうに続けた。
「働かざる者食うべからず、でしょ?」
オギワラはまるで幼いこどものように無邪気に笑っていた。――表情と言ってることが一致してねーよ。という
か・・・
「皿なんて洗ったことねえよ!」
それでも、オギワラは諦めない。
「なら余計にいい機会じゃん。大丈夫、洗い方教えるから。」
それなら自分で洗った方が楽だろうに、オギワラはどうしても俺に皿洗いをさせたいらしい。考えるとバカバカしくなってしまう。
「伊織くん、こっち」
そう言われて台所へ案内された。清潔感のある台所だ。床はフローリングだった。
「とりあえず、そのフライパン洗っといて。そこにあるスポンジにあの洗剤付けて、スポンジ何回か握って。それで泡立つから。そしたらそれでフライパンをやさしくこすって、まんべんなくね。そしたら水で洗剤を落としてそこに置いといて。私は食べた分の食器持ってくる。」
そう言い残してオギワラはさっきの部屋に戻って行った。のこされた俺は途方にくれる。――本当に洗わなきゃいけねぇのかな。
戸惑っていると、オギワラが食器を持って戻って来た。
「まだ洗ってないの?」
そう言われて、俺はしぶしぶ洗い始めた。スポンジに洗剤を付け、握って泡立て、やさしくこする。泡がフライパンにまんべんなく付いたら水で洗い流す。そして、オギワラに指示された。場所に置く。
「そうそう、その調子。上手よ」
皿洗いが上手って・・・。
「じゃあ、今度はこっちもよろしく」
そう言われ、オギワラはにっこり笑ってさっき持ってきた食器を指差す。俺が不満げな顔をしたことに気にも留めずオギワラはこう続けた。
「基本はフライパンと同じ感じで洗ってもらえればいいから。ご飯茶碗はしばらく水に付けとくと、くっついたお
米がふやけて洗いやすくなるから。先に他のもの洗ってて」
とりあえず、ご飯茶碗に水を溜めた。それから、スポンジに洗剤を足す。そしてやさしく皿をこすり、水で流し
た。
「お皿はいっぺんに洗剤付けてから、まとめて洗い流した方がいいよ」
「だったら、先に言えよ」
オギワラにそう言い返すと、俺は言われた通りに洗剤を皿にいっぺんに付けてからまとめて流した。確かに、こっちの方が楽だった。
「洗ったお皿はそこに置いておいて」
そして、オギワラはそう言って流し台を覗き込んだ。
「伊織くん、洗剤使い過ぎ」
オギワラは怒ることもなく、笑いながらそう言った。
皿を洗い終えてから、食事を食べた先ほどの部屋に二人で戻ってきた。俺は慣れないことをしてへとへとだった。
オギワラはそんな俺を気にすることもなく、勉強を始めていた。俺は畳の上に寝転がる。畳の匂いが心地よかっ
た。力を抜くと気が遠くなっていった。
「じゃあ、皿洗いよろしく!!」
「は?!」
困惑する俺を横目にオギワラは楽しそうに続けた。
「働かざる者食うべからず、でしょ?」
オギワラはまるで幼いこどものように無邪気に笑っていた。――表情と言ってることが一致してねーよ。という
か・・・
「皿なんて洗ったことねえよ!」
それでも、オギワラは諦めない。
「なら余計にいい機会じゃん。大丈夫、洗い方教えるから。」
それなら自分で洗った方が楽だろうに、オギワラはどうしても俺に皿洗いをさせたいらしい。考えるとバカバカしくなってしまう。
「伊織くん、こっち」
そう言われて台所へ案内された。清潔感のある台所だ。床はフローリングだった。
「とりあえず、そのフライパン洗っといて。そこにあるスポンジにあの洗剤付けて、スポンジ何回か握って。それで泡立つから。そしたらそれでフライパンをやさしくこすって、まんべんなくね。そしたら水で洗剤を落としてそこに置いといて。私は食べた分の食器持ってくる。」
そう言い残してオギワラはさっきの部屋に戻って行った。のこされた俺は途方にくれる。――本当に洗わなきゃいけねぇのかな。
戸惑っていると、オギワラが食器を持って戻って来た。
「まだ洗ってないの?」
そう言われて、俺はしぶしぶ洗い始めた。スポンジに洗剤を付け、握って泡立て、やさしくこする。泡がフライパンにまんべんなく付いたら水で洗い流す。そして、オギワラに指示された。場所に置く。
「そうそう、その調子。上手よ」
皿洗いが上手って・・・。
「じゃあ、今度はこっちもよろしく」
そう言われ、オギワラはにっこり笑ってさっき持ってきた食器を指差す。俺が不満げな顔をしたことに気にも留めずオギワラはこう続けた。
「基本はフライパンと同じ感じで洗ってもらえればいいから。ご飯茶碗はしばらく水に付けとくと、くっついたお
米がふやけて洗いやすくなるから。先に他のもの洗ってて」
とりあえず、ご飯茶碗に水を溜めた。それから、スポンジに洗剤を足す。そしてやさしく皿をこすり、水で流し
た。
「お皿はいっぺんに洗剤付けてから、まとめて洗い流した方がいいよ」
「だったら、先に言えよ」
オギワラにそう言い返すと、俺は言われた通りに洗剤を皿にいっぺんに付けてからまとめて流した。確かに、こっちの方が楽だった。
「洗ったお皿はそこに置いておいて」
そして、オギワラはそう言って流し台を覗き込んだ。
「伊織くん、洗剤使い過ぎ」
オギワラは怒ることもなく、笑いながらそう言った。
皿を洗い終えてから、食事を食べた先ほどの部屋に二人で戻ってきた。俺は慣れないことをしてへとへとだった。
オギワラはそんな俺を気にすることもなく、勉強を始めていた。俺は畳の上に寝転がる。畳の匂いが心地よかっ
た。力を抜くと気が遠くなっていった。