アイツと共に、未来へ
朝から、教室にいるのはいつ以来だろうか?全寮制の学校のためか、クラスメイトのほとんどがすでに教室に集
まっていた。

ほどなくして、1回目のチャイムが鳴る。このチャイムの前後に教師が教室に入って来る。それから、2回目のチャイムがなるまでしゃべらずに読書をすることになっている。が、俺はいつもこの時間は河川敷なので読書用の本なんて持っていない。近くのヤツと話したいところだが、どいつもこいつも真剣な顔をして読書しているので話しかけるのは気が引ける。この何とも言えない時間がはやく過ぎ去ってくれることを祈った。その時、教室を見回していたヨシカワ――1回目チャイムが鳴った数秒後に教室に入ってきた。――と目が合った。ヨシカワは俺の姿を確認してにっこり笑った。

2回目のチャイムがなり、朝礼が済むとホームルームで夏休みの宿題が配布され、休み中の注意事項がヨシカワから話された。それから、給食と大掃除があり、そして終業式だ。

終業式はすごくつまらない。校長の中身の薄い話を長時間聞かされ、先ほどホームルームで聞いたような注意事項をもう一度生徒指導の偉いと思われる先生からもう一度聞かされた。終業式が終わった時はとりあえずはほっとした。クラスのヤツらは終業式をした体育館から教室に戻って来る時から浮き足立ってけど、俺は複雑だった。夏休みも練習する部活のために寮もしばらく開いているが、盆の時は家に帰らなければならない。それを思うとすごく気が重くなった。
< 14 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop