妄想女と浮気男
「迷惑?」


充君の表情は少し悲しげだった。サングラス越しでもわかる。


「……そういうわけじゃ……」


戸惑う私。


充君はそんな私の手を突然ぎゅっと握った。


そして、あいている右手でサングラスを取ると、私を見つめる。


「……俺、もっと璃子と一緒にいたいな……」


「……えっ……」


高鳴る鼓動を抑えられない。


私は幸せを噛みしめる……。




充君に愛の告白をされた。




ホントはストレートに好きと言ってほしかったけど、告白の言葉なんて人それぞれよね。しかたないわ。




「……私ももっと充君と一緒にいたい……」


私も充君が好きだから……。


充君、私達、両想いだね。


「じゃあ部屋に上がってもいいよね?」


その時、私はある事を思い出した。


今日は休日だが、雑用があって、四時頃に仕事場まで行かなければいけない。


もうさほど時間がない。


どうしよう……




そうだわ。


私達は両想いなんだから、またいつでも会えるじゃない。


どうせ一緒に過ごすなら、長い長い時間がいいわ。
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