MY☆HERO
「瑞希、颯斗」
俺が名前を呼ぶとまるでわかっていたかのように「はいはい」と適当に返事をし体の向きを男たちのほうへ向けた。
そして、そのまま無言で二人は男たちに近づいていき・・・・。
――――――――――――ドコッ。
――――――――――――バキッ。
二人が一発殴ったら気絶してしまった。
なんなんだ、こいつら。
そして、女は俺の首元に顔をうずくめていた。
女は心なしか震えているように感じた。
とりあえず、女を降ろそうか。
「・・・・・で、あんたはどうするの?」
颯斗が戻ってきて女に聞く。
「あっ・・・ありがとうございました。では・・・」
そう言って女は路地から出ようとする。
「ねぇ、待ってよ」
瑞希が女の腕を掴む。
「裸足で逃げてきたってことは家からでしょ?どこに行くの?家に戻れるの?」
俺が思っていたこととほとんど同じだ。
いつも瑞希みたいなバカでもこういうのは分かるんだな。