MY☆HERO
「お前、財布持ってるのか?」
・・・・・・え?やだな、財布ぐらい持って・・・・・・ない・・・・?
なんで?なんで?え、なんで?!
あっ・・・カバンの中だ・・・。夜に取りに行くって言ったから夜まで財布ないんだ・・・・。
「しまった。カバンの中だ・・・」
そう言うと瑞希くんがニコッと笑って、
「やっぱりね。なら僕らが払わなきゃね」
そういった。
でも、何もかもやってもらうのはさすがに悪い。
「荷物取りに行ったらお金返すね」
私がそう言った。返さなきゃダメだよね。当たり前だよね。
「いや、いい。その代わり家事のことやってくれたらいい」
なんですか、交換条件的な?でも、家事なら全然得意だし・・・。
「そんなんでいいの?」
「むしろ、それがいい」
そう言われて私は家事を担当することになった。
そういえば颯斗くんなんにも喋ってない。どうしたのかな?
私はそう思って颯斗くんの方を見ると・・・・すっごく眠たそうな顔をしていた。
まあ、行く前まで寝てたしね。
「大丈夫?颯斗くん」
「・・・・・んぁ?ああ、大丈夫!大丈夫!!それよりさ、伊織ちゃん俺と二人でどっ」
「どりゃあああああああああ」
颯斗くんがまだ言い終わらないうちに瑞希くんがカバンを颯斗くんの頭にぶつけていた。
「いってぇな!!なにすんだよ!!」
「お前こそ何してんの!!大人しく付いてきてよ!!」
颯斗くんは諦めたような顔でヘイヘイと言った。こんな絡み私は初めて見たけどもしかしたら当たり前の絡みなのかもしれない。