MY☆HERO


「それでさ、伊織!!結構仲いいでしょ?なんで嘘ついたの?」


やっぱり希穂にはばれたか・・・。希穂には昔から嘘は通じなかったからな。


私、そんなに嘘下手くそなのかな?


「だって・・・本当のこと言ったらクラスメートから追求されるでしょ?」



「あー・・・めんどくさかったのね。・・・で、本当はどうなの?」


なんて言おう。一緒に住むことになりました!!って言ったらなんで?って返ってきて、家での暴力のこと言わなくちゃいけないじゃん。そうしたら、希穂は心配して迷惑かけてしまう・・・・。




「えっと・・・」

「あ、言いにくかったら言わなくて大丈夫!!」

希穂の優しさに涙が出てくる。でも、希穂には言わなくちゃならないと思う。


「いや、希穂には言わなくちゃいけないから」

「本当?」

「うん。あのね、驚かないでね。実はねいろいろあってね一緒に住むことになっちゃったの・・・」


「えぇぇぇぇえええぇぇぇ!!!」


驚かないでって言ったのに。まあ、無理もないか。


「なんで?!ねぇ、なんで!!」


「いろいろあって・・・」


そこはちょっと希穂を心配さしてしまうから言えないや。


私は黙っていると希穂が、


「あ、言いにくいのね。まあ、一緒に住むってことは大変なことがあったからなんだよね?なら、言いにくいのも仕方ないよ!!気が向いたら喋ってね?」


本当に、希穂は優しい。なんでも見透かされてるよ。



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