呪いの着メロ
 そして放課後、クラスの見覚えのある顔がチラホラ見える図書室に俺達四人もやって来た。

「どうやら調べ物っていったら、考えることは同じみたいだね」

「オカルト的なのは俺達だけだろうがな」

 これが発表された日には大笑いされるか、ドン引きされるかのどっちかだな。

「それじゃ、昨日と同じく二手に分かれましょ。康介くんと霧谷さんペアで、私と班長くんね」

「いいよ」

 勝手に決めるな。というか、三嶋、いつから康介を名前で呼ぶようになったんだ?

「そんじゃ。とりあえず30分後、集合ってことで! 調査開始!」

 俺と霧谷の意見などまるで聞かずに、ペアが決まってしまった。

 まぁ、いいか。ここでもめて時間食っても仕方ないし。

「行こっか、班長くん♪」

 腕組むなよ。勘違いされる。

 鬱陶しそうな俺の空気を読み取ろうとしない三嶋を連れて、とりあえず奥に引っ込む。

 何かひそひそ話が聞こえるが、聞こえないことにしよう。

 それより、今は腕にくっ付いているこいつが邪魔で仕方がない。

「離れろ。調べられないだろうが。つーか、お前も調べろ」

「はーい!」

 素直な返事だねぇ。

 とりあえず、オカルト関係の本でも探してみるか。

 え~っと、『日本の怖い昔話』・・・・・・なんてのは、ダメか?

「ねぇ、その『呪いの着メロ』の元となった『呪いの歌』なんだけどさぁ」

 また三嶋が調べもせずに妙なことを話し始めた。どうせ何言っても勝手に話すだろうから曖昧に返事しておこう。

「なんだよ?」

「こんな話知ってる? その歌が、ある女の子が作った歌なんだってこと?」

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