呪いの着メロ
 夕日が沈みかかってきた頃、一足早く学校の校門着いた俺は霧谷を待っていた。

 春先はやっぱり寒い上に、少し薄暗くなってきた。

「早くこないかなぁ?」

 そんなことをぼやいていると、向こうのほうから霧谷が小走りでやって来た。やっぱりあの眼帯は目立つな。

「・・・・・・待った?」

「いや、俺も今着たところ」

 待て、今の会話。デートの待ち合わせをしているカップルか?

「それで、わざわざ会っての用件って何だ?」

「私も分からない」

 はい? どういうことですか? 霧谷サン??

「・・・・・説明してもらっていいか?」

「これ・・・・・・」

 そう言いながら霧谷は俺にケータイを開いた状態で見せた。どうやらメールらしい。

 送信相手は『三嶋恭華さん』となっていた。・・・・・・わざわざ『さん』付けする当たり、霧谷らしいかもな。

「なになに、『図書室で大発見したの!今すぐ来てね☆』・・・・・・か。また急だなぁ。つーか、班長の俺を差し置いて、なんで霧谷なわけ?」

「だから、呼んだの・・・・・・あ、笹川くんは塾があるからって」

「知ってる。アイツとは中学からの付き合いだからな。つーか、三嶋もなんで俺に連絡しないんだか・・・・・・」

「連絡先知らないんじゃ・・・・・・」

「それもあるか・・・・・・」

 霧谷は康介を経由したけどな。三嶋はそこまで気が回らなかったのか?

 ともあれ、俺達はまだ開いていた校門を抜けて図書室へと向かう。まだ校庭では部活をやっている生徒達チラホラ見える。それだけ動いていればさぞかし暖かいだろうに。

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