呪いの着メロ
 頭が寝惚けてなければ、それが自分の設定した着メロでないことはわかっていたはずだ。

 だが、俺は寝惚けていた。

 そして、忘れていた。

 自分のケータイの時刻が五分進んだままだってことを・・・・・・

 どうせまた康介のイタズラかと思い、何も考えないまま、突然鳴ったケータイに俺は出てしまった。


 非通知の着信相手に・・・・・・


「もしもし・・・・・・」


 少し苛立った声をわざと上げる俺に、相手は何も言わない。俺はさらに苛立つ。

 だが、直後、部屋の時計が目に入ってしまう。


 午前零時。


 そして、記憶が鮮明に甦る。


 自分のケータイの時刻が五分進んだままだと。


 そして、鳴っていた着メロが自分の設定した流行歌ではなく、全く聴いたことがない曲だったということを・・・・・・


 冷たいものが背中にゾクッと走る。


 ゴクッと唾を飲み込んだその瞬間、耳に女の子の声が聞こえてくる。
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