呪いの着メロ
「お前が・・・・・・片目の少女、だったのか?」

 辛うじて俺は声を絞り出すことができた。すると、片目の少女は悲しそうな目のまま、口元を笑みの形を作った。

 YESと肯定しているようだ。

 そして、這うように俺に擦り寄ってくる。

 それから求めるように俺の目にめがけて手を伸ばす。

「ま、待て!」

 俺は慌てて後ずさりする。片目の少女は、支えを失ってバッタリと倒れるが、すぐにまたむっくりと起き上がる。

 そして、俺を見下ろして、ゆっくりと不気味に歩み寄ってくる。

 それから屈みこんで俺の目に手をかける。

「やめっ!」

 抵抗しようとしたが、体が動かない。それこそ体が凍ったようだ。

 まずい!

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