呪いの着メロ
 なおも鳴り響く着メロ。

 好きな流行歌をわざわざ月額315円払ってまでダウンロードして設定したのに、全然、和みやしない。

 くそっ!

 こうなったら、どうなるか試してやるよ!

 覚悟を決めた俺は、折りたたみ式の携帯を開いて、通話ボタンを押した。

「………も、もしもし?」

『あ、やっと出た! もう寝ちゃったかと思ったよ』

 電話の相手は康介だった。

 俺の中で心臓がどんどんと落ち着く代わりに、何かがブチッと切れる音がした。それを知ってか知らずでか、康介は楽しそうに話し始める。

『いやぁ、『呪いの着メロ』の事でちょっとおもしろい進展があったからさ教えようと思ったんだけど、どうせならそれっぽくしようかな~と思って、夜分遅くに電話してみたんだ。まぁ、まだ午前零時までには五分くらいあるから、怖がることなんてなかったよね? ね?』

「そうかぁ、イタズラってわけかぁ。よし、お仕置きしてやる。そこになおれ!」

『いやいや、電話越しで何をする気なのさ。って、もしかして怖かった?』

「……明日、お仕置きしてやる。それより、おもしろい進展って何だ?」
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