smile～キミの笑顔～

目の前がぼやける。





緊張してたのか…

何かがフッとほどけた感覚で

次から次へと涙が、目に溜まっては頬を伝っていく。




ダメ…

泣くな…



そんな気持ちとは裏腹に
涙が零れてはポロポロと地面に跡を付ける。





通りすがる人に見られてイヤなはずなのに




もう…そんなことを考えられないほど

頭の中はグチャグチャで






今はただ…



ただ………ショックで自然と涙が止まらなかった。








「真依
今日はもう帰ろう」





優しい琴音の声が聞こえた。




下を向いて情けなく涙を流す私には
声しか届かない。





「うん…」




俯いてる頭を更に深く下げ肯定を示す。






拭いても拭いても
涙は止まってくれない…


それでもひたすら袖を使って拭き続けた。