あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
今にも涙が溢れてしまいそうで、身体を反転させ、海の方を見ると、
切れそうな月が水面にうつっている。
その光景があまりにもキレイで、
蓮に背を向けたまま1歩前に進むと、私の瞳から涙が零れた。
いつもの優しい蓮だったら、きっと気の利いた言葉でも良いながら、ソッと抱きしめてくれるだろう。
でも…今日何もしないのは…
その行為が、私にとって残酷なことだと分かっているから…。
どこまで良い男なのよ……。