あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
「み……らいっっ…私……」
梨花が鴻上くんに抱きついたまま、何かを話そうとしている。
梨花を片手で抱きしめたまま、鴻上くんが近くに置いてあるバスタオルを取って、背中から包み込むように被せた。
そして梨花の背中をポンポンと優しく叩きながら、
「梨花…もう何も言わなくていいよ…。」
ゆっくりとした口調で鴻上くんが言う。
「でも……。」
「『でも』じゃないよ。
他のこと考えるくらいなら、目の前に居る俺のこと見て…俺だけのことを考えてよ。
そっちの方が嬉しいけどな…。」
そう言って鴻上くんがフワリと微笑むと、梨花も微笑み、
気を失うように鴻上くんの腕の中で眠ってしまった。