あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
本気で分からない…という表情の蓮に向かって、私はニッコリ微笑んで言った。
「葵さんよ…葵さん。
葵さん用のアルバム。」
「・・・・・・。
葵の…?何で…?
………葵は…もう…居ないよ…。」
あの日と同じ顔をした蓮が、私をジーッと見る。
「分かってる…蓮の言いたいこと。」
私は蓮を見て頷く。
「蓮の高校に行った時ね…校長先生に頼まれたの。この卒業証書とアルバムを葵さんのご両親に届けて欲しい…って。
アルバムはまだ未完成だから、新庄くんが完成させてほしい…みんなからのお願いでもあるって…。」
「みんなからの…お願い…?」
「蓮が仕事で休んだ日、全クラスのHRで話し合いをしたそうなの…。
最初はクラスでも、葵さんと同中の子だけを集めて、卒業証書と共に記念品としてアルバムを作成してご両親に渡したい…
だから葵さんの写真を…葵さんへのメッセージを…そう校長先生がお願いしたんだって…。
それを聞いた子が
『同中じゃなくても高校で友達になった子も居るし、クラスメートになった子も居る。
新庄くんの彼女のことなら、みんな知ってる。
だから葵さんの同級生全員の意見を聞いてください』
って。そして話し合った結果…みんな想いを込めて作った…そのアルバムがこれなの。
あとはこのアルバムに蓮の想いを込めて、完成させるだけなんだけど…。」