あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
私は…蓮に抱き締められたまま…ソッと顔を上げる。
私を抱き締める蓮の表情は、穏やかな表情をしているものの…
RiNちゃんを抱き締めていた時の表情とは、まるで違う。
その表情を見て…私は恐る恐る蓮に尋ねてみた。
「蓮……もう前に進めそう…?
次の恋愛…出来そう…?」
私のその言葉に…蓮が驚いたように私を見つめ、得意のフワリとした笑顔で言った。
「ありがとう奈々さん。
やっぱり奈々さんは凄いね。俺の事…一番分かってるかもしれない。
葵のこと…凄く好きだった。
葵が居なくなった時…この苦しい思いが変わることなんてないと思ってたんだ。
でも…今は…穏やかな気持ちで、葵との過去を思い出すことが出来るようになったよ。
奈々さん…今まで気に掛けてくれて有難う。
やっと…俺…前に進めそうだ…。」
そう言って微笑む蓮の顔は、何か吹っ切れたような顔をしていた。