あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~


何も言わない梨花の腕を掴んで抱き寄せた。



「出て行くなよ。」


「でも……。」


「俺は…気にしてない…。

甘えるだけ、甘えてくれて良い…。」


梨花を抱き締めながら、絞り出すように言った。


梨花が未来を忘れてない…忘れられないことくらい分かってる。


一緒に過ごしていても、すぐ隣で寝ていても…俺のものにならない事なんて分かってる…。



離れてしまった方がきっとラクだろう。


でも…もう…俺が梨花の事を手離せなくなってるんだ。




「蓮…ごめん……。」



そんな言葉…聞きたくない…。


梨花を抱き締める腕を緩めると、茶色い瞳を覗き込み、自分の唇を押し当てた。


< 225 / 556 >

この作品をシェア

pagetop