あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
何も言わない梨花の腕を掴んで抱き寄せた。
「出て行くなよ。」
「でも……。」
「俺は…気にしてない…。
甘えるだけ、甘えてくれて良い…。」
梨花を抱き締めながら、絞り出すように言った。
梨花が未来を忘れてない…忘れられないことくらい分かってる。
一緒に過ごしていても、すぐ隣で寝ていても…俺のものにならない事なんて分かってる…。
離れてしまった方がきっとラクだろう。
でも…もう…俺が梨花の事を手離せなくなってるんだ。
「蓮…ごめん……。」
そんな言葉…聞きたくない…。
梨花を抱き締める腕を緩めると、茶色い瞳を覗き込み、自分の唇を押し当てた。