あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
「じゃあ蓮…元気で…。」
そう言ってゲートに入ろうとする梨花の腕を掴み、抱き寄せた。
「梨花。向こうで頑張って。
応援してる。」
「………ありがとう。」
そして俺が腕を解くと、梨花が背伸びをして俺の頬にキスをした。
「~~~~~っっ!!!」
「じゃあ蓮!行ってきます!」
そう言って梨花は手を振りながら、ゲートの中に消えていった。
俺は、梨花が見えなくなってからも、その方向を見つめたまま動けないでいた。
「……ずるいな…アイツ…。
俺とは付き合えないくせに…キスなんてしやがって…。」
小さく呟く俺の声は、空港内のざわめきに掻き消された。