あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
「この後の撮影なんだけど…こんなギリギリになってまで、まだ演じ方…迷ってるんだ。」
蓮がバツが悪そうな顔をする。
「この後の撮影って…耳が聴こえない女の子とネットで知り合って、恋に落ちるものだったわよね。」
私がそう言うと…
「そう…。台本を読めば読むほど、分からなくなる。
深いんだよ…この話。」
「『この話…深い』って、知り合ったころは、『日本語の読み書き…難しい~』って言ってたのに…
その蓮の口からこんな言葉を聞く日が来るなんて…。」
「~~~~~~~っっ////!
奈々さんっっ!からかわなくていいから!!」
拗ねたように口を尖らせながら言う蓮の姿が可愛くて、顔が綻ぶ。
「ごめん、ごめん。
それで…どんな所で迷ってるの?」