あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
「貴重な体験をさせてくれて、有難うございました。
凄く楽しかった。
奈々さんが可愛くて…キレイで…本当に奈々さんに心を奪われた。撮影中…ずっとそんな気分でしたよ♡
それから……。」
そう言って、気まずそうに口を噤む。
「俺…芸能人とか…正直…
チャラチャラした職業だなって思っていたんです。
外見さえ良ければ、後は笑っていれば良い…なんて考えていました。
俺は勉強して、公務員とかそんな安定した仕事をするものだと思っていたから。
でも違った…。
現場のスタッフも、カメラマンもモデルも…みんな真剣にプロとして仕事をしている…。
奈々さんや、周りを見ていて凄いな…と、ただ感心するばかりでした。
今日撮影に参加出来て…本当に良かった。
それで……
あの……
今さらですが……
俺…モデルの仕事…出来ないでしょうか?
もう一度、この現場に来たい。
もう一度…カメラの前に立ってみたいんです。
この前は断ってしまいましたが…良ければ…モデルという仕事をさせてください!!」
そう言って、蓮はガバッと頭を下げた。