あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
【未来くんと宮本さんと会って話をしようと思う。
梨花の話も聞くから、あの公園に来れる?】
そう梨花にメールを送信すると…
【分かった。今実家だから少し時間掛かるけど、今すぐ出発するよ。】
すぐに返事が来た。
携帯をテーブルの上に置くと、椅子に座ったまま瞳を閉じた。
梨花と未来が2人で居た時に見せていた幸せそうな笑顔を思い出し、
今から取る行動が間違っていないと確信する。
10年前に梨花を未来くんに託された時から…ずっとずっと傍で支えてきた…いや…俺も梨花から支えられていたんだ。
俺が梨花の手を離すことで、大好きな人の笑顔がもう一度見れるなら…
2人の【心からの笑顔】がもう一度見れるなら…
それで良いんだよ…。
梨花が幸せになるために…
俺は…梨花と繋いでいた手を離し…梨花の背中を…俺の両手でソッと押してあげるんだ。
これが…俺が梨花の為に出来る最後のこと…。