あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~
壁に掛けられた時計を確認すると…
そろそろ出発しなければならない時間が迫っていた。
「蓮…もうそろそろ私…行かないと、飛行機に乗り遅れちゃう。」
そう言うと、バッグの中から蓮のマンションの鍵を取り出した。
「これ…ありがとう。」
そう言って蓮の手のひらにマンションの鍵を乗せた。
「うん。梨花、今度は未来くんと一緒に日本に帰っておいで。
その時は連絡入れてよ。ご飯でも食いに行こう。」
「うん。絶対に連絡するから。」
「………悪いけど、今日は空港まで送らないよ…。」
「うん。大丈夫。」
蓮は…
きっとこの後…1人で泣くんだ…。
私に心配かけないように
1人で…。
分かってるけど…ここで蓮に何を言っても、そんな言葉…蓮を傷つけるだけだ。
荷物を持ち立ち上がると、蓮に向かって手を差し出した。
「ん?」
「今までありがとうの感謝の気持ちと、お互いに頑張ろうねの想いを込めて…握手しよう?」
私がそう言うと、蓮も手を差し出す。
ギュッとお互いの手を握りしめた。