あなたの傍で~1位の彼女と2位の俺…番外編~


お会計を済ませ、料亭の外に出ると、2台のタクシーがとまっていた。



「さぁ帰りましょう!

蓮さんはそっちのタクシーで帰ってくださいね。自分はこっちのタクシーで社長宅を経由して帰りますから。

それではお疲れ様でした。」



横山のこの言葉に、蓮が手をヒラヒラと振りながらタクシーに乗り込んでいく。



横山と私もタクシーに乗り込む。



行き先を告げ、タクシーが走りだすと、ニコニコ顔の横山が私の顔を覗き込む。



「社長ご馳走さまでした。
お代に見合うだけの答え…聞けたでしょう?」



「お代に見合うって…横山、策士ね。」



私が呆れた様に微笑むと、横山が話を続ける。



「おまけを付けるとすれば、この10年間の梨花さんに対する蓮さんの立場は…次回公開の映画を見てください!

まさしくあの主人公そのものですから♡」



「…そう。」



私の浮かない返事を聞いて、横山が急に真剣な表情になる。


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